2009年11月10日

夜の女王とレクイエム

過去の嫌なジンクスを破り、念願であった NHK 杯を制したことと、
五輪選考にも影響する GP ファイナルへの出場資格を得たことに
安堵した優勝だった。
大切な試合、大きく崩れることもなく結果に繋がり、良かったと思う。
ただ、課題も多々残された、苦い優勝でもあった。

安藤選手の談話に度々見受けられる「自分らしく」という言葉。
この「自分らしく」とは、一体何であろうか。

NHK 杯、SP では気持ちが入らなかったことを悔やんでいたが、
それには 3 回転の連続ジャンプを控えたことに気持ちの揺れがあったと聞いた。
大会前、スピンやスパイラルを重点的に練習し、
さらには表現力に磨きをかけて Program Components の強化に取りくみ、
結果、おおむね 7 点台という評価も得られた。
確かに現行の採点方式ではリスクの大きい高難度ジャンプに執拗に拘るよりも、
POS で高い評価を得ることは重要だし、
芸術性の優れた演技は、フィギュアスケートの魅力ともいえる。

だが安藤選手には、安藤選手にしか出来ない高難度ジャンプがある。
トリプルルッツ、トリプルループの連続ジャンプ。
そして、4 回転も。
そう。「ジャンプの安藤」を忘れないでいて欲しいのだ。

このたびの大会の消化不良は自分らしさに欠けた演技。
自分らしさとは何であるか、安藤選手が一番よく知っている。
その上で、技術、芸術性、両方を兼ね備えなければならないこと、
その難しさを今まで以上に、より現実的に、認識できたことは安藤選手にとって、
課題が明確である分、良い収穫だったといえるのではないか。
曖昧な気持ちを引きずったままにせず、
コーチとよりいっそう真剣に向き合って自分らしさを追及していって欲しい。


さて。話は変わるが。
ロステレコム杯直前に SP が変更されて以降、
私の中では思考が止まり、煮え切らないまま、悶々としたものを抱えたまま、
この 2 大会を見守ることとなった。
それこそ消化不良をおこした状態で観戦するに至ったのだ。

「Queen Of The Night」から「REQUIEM」への変更。
「Queen Of The Night」(夜の女王)では、
観客の理解を得るのが難しいのではないかという懸念と、
楽曲よりも安藤選手のインパクトが強すぎるからとの判断で変更されたと聞く。
私は首をひねった。
解り易さやストーリー性の有無が、それほど重要だろうか。
本人のインパクトが強すぎると曲の「面白さ」まで台無しにしてしまうだろうか。

昨シーズンの「交響曲第 3 番オルガンつき」は、明確なストーリーが
あったわけでもなく、特段に解り易い曲というものでもなかったはずだし、
曲よりも選手のインパクトが強いという点に、問題があるとは思えない。
楽曲を安藤選手の想いのままに、大胆に創り上げていく、そうすることで、
「夜の女王」がもつ独特な個性も引き立たせることができるのではないか。

単調に繰り返される不気味な旋律を上手く利用して、安藤選手の色に染め上げ、
妖艶な魅力を最大限に活かすことができれば、
これほどカッコ良くて、強烈な PG はないだろうと思う。
さらに「夜の女王」なら、決められたエレメンツを
余裕をもって組み込めるのではないだろうか。
想像力を膨らませ、安藤選手の想うがままに、思う存分演じきることが出来る曲。
そう思えてならないのだ。

それと「REQUIEM」もまた同様に、もったいないと思った。

Ice Jewelry 2009、あるいは THE ICE で魅せた「REQUIEM」。
あの感動の演技を採点の対象 にしてしまうことに少なからず抵抗を感じた。
ショーで魅せた、冒頭の頭を抱えて 5 回まわり、両手でバンッと決めるところ。
空に向けた両手を広げながら走るところ。
倒れこんだのち、右手で何かを追うようなしぐさ。
安藤選手の驚愕や哀しみや追憶の感情が込められていた振り付けが、
2 分 50 秒の SP では端折られてしまった。
「REQUIEM」は鎮魂の楽曲だ。
髪は下ろしたまま。スカート部分は長め。照明はピンスポット。
そのすべてが先のショーで素晴らしかっただけに、もったいなくて仕方がない。

judgment すら及ばない領域。安藤選手の神々しいまでの美しさ。
私は五輪の EX で、最後の最後に、この「REQUIEM」を観たい。
安藤選手が競技を超えて、魂を込めた祈りを捧げる、感動のステージで観たいのだ。


・・・・と好き勝手なことを書いてしまったが、
悩みに悩んだ末、恐れながら進言しておきたかった。
ファンの声に耳を傾ける心優しい安藤選手に、戸惑いを誘うようなことを
云いたいわけでは、決してない。
SP に迷いがあるのなら、原点に戻って考えてみて欲しいのだ。
ジャンプやスピンといった各要素を無理なく組み込める PG 。
「REQUIEM」に込めた特別な想い。
心から滑るとは、どういうことか。
もういちどコーチと、戦力も含めて考えてみることも必要だと思う。


安藤選手が自分らしく、リンクの上で笑顔をみせてくれることを願って。

posted by マキティ at 23:22| Comment(13) | TrackBack(0) | 安藤美姫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月07日

GPS 2009

美姫ちゃん ロステレコム杯 NHK 杯
優勝おめでとうございます !!



posted by マキティ at 21:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 安藤美姫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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